桐野の個人的なメモ

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの桐野の個人的なメモのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作が面白かったので期待して行ったら期待の1000%くらいのものが出てきた。

元々世界が違うキャラクターごとにデザインを変える・コミック的な演出……諸々革新的な表現の多い映画だったけど、今回は輪にかけてデザインが突出していて、まさか実写まで出てくるとは…と本当にびっくりした。元々マルチバースという設定を前提にした作品とはいえ、特にグウェンの世界の色鮮やかはすごかった、すごかったけどそこはちょっと見づらかったかな…。

ストーリー自体はわりとゆっくり目というか、日常パートが多めなのでなんとなく長いかな…と感じる部分もあるが、マイルスとその両親、同時にグウェンと父親の関係が描かれているのが良かった。また、終盤も終盤、父親を助けるために元の世界に戻ろうとした先でのどんでん返しがとても強烈で…。
今回は色々な世界のスパイダーマンが登場する、ということだったが実際とんでもない量のスパイダーマンが出てきて、ファンだったらめちゃくちゃ興奮するだろうな、と思った。
今回初登場&メインとなるミゲル・オハラやスパイダーインディアやスパイダーインディアもスパイダーウーマン諸々も魅力的で、特にミゲル・オハラはいわゆる敵ポジションだが、周りから信頼されていたりからかわれたり、一辺倒の悪ではないというのがきちんと分かる造りになっているのが良かった。

前作同様コミカルな部分がく、思わず笑ってしまうようなシーンが多々あった。
が、ストーリー自体は結構重い。
本来スパイダーマンになるべきではなく、また、世界を壊さないために必要な「カノン」を守るために大切な人が死ななくてはならない。
聞いている分には異分子上等だ運命なんて抗っちまえ、という気持ちになるが、マイルスが「本当はスパイダーマンになるべきではなかった」という点やカノンの扱いはとてもメタ的で、これってコミック諸々のスパイダーマンに対する「スパイダーマンはこうあるべき」「スパイダーマンはこういう展開がないと」というお約束を示してるんだろうな、と。そういった題材に挑戦するのはすごいと思うし、きっと後編にはそれらを乗り越える結末を示してくれるんだろう、と期待と信頼が寄せられる。
後編を見ない限りは作品の良し悪しを語りきれないけど、凶悪になったスポットがどんなことをするのか、マイルスと本来スパイダーマンになるはずだったマイルスはどうなるのか、最後に出てきたおなじみの仲間でワイワイやってほしいとか、とにかく後編が楽しみで仕方ない。