さー

ハミルトンのさーのレビュー・感想・評価

ハミルトン(2020年製作の映画)
4.2
世界史の教科書を引っ張り出しても、名前すら載っていない…そんな人物の歴史ミュージカルなんて、いくら本国アメリカで社会現象になったからといって楽しめるのか…?という懸念は、開始5分で跡形もなく散ってゆきました。歴史に一時停止ができないように、怒涛の勢いで駆け抜ける2時間40分。鑑賞後、あなたは無意識のうちにApple Musicでサントラを再生しつつ、「ヘイ、Siri 建国の父について知ってることを全部吐きな」と問うていることでしょう…

「歴史なんて学んで何になるの」という、答えに困る質問にも、「ハミルトンをより理解できるようになるの!」と回答できるようになって、全国の世界史の先生たちは歓喜に沸いていることでしょう…(バリ適当)
そもそもこんなに話が面白いとは予想してなかった。骨太な歴史物でありながら、個々の人間の喜怒哀楽もぎっしり詰まっていて見応え抜群。

ハミルトンというすごい人がいました!という単純な描き方ではなく、俗に言う「アマデウス方式」(いまつくった)で、ハミルトンという存在にねたみそねみを募らせるアーロン・バー(この人も初めて知った)が語り部という作り。これがいいのよ〜〜アーロン・バーが人間味の権化すぎる。なので曲も「The room where it happens 」がいちばんラブです。

欲を言えば、歴史上の人物の肌の色だけでなく性別も変えたキャラがいてほしかった…よしながふみの「大奥」の読みすぎでしょうか…でもいけると思うねんな。ていうか、これ宝塚歌劇で絶対上演できると思う。ニッチな歴史物&男がいっぱい出るってヅカでしかない。(どこに出しても恥ずかしいオタク)
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