YukiSano

エノーラ・ホームズの事件簿のYukiSanoのレビュー・感想・評価

3.8
女の子探偵誕生秘話。
でも推理劇ではなくて、冒険活劇。

自由奔放なハチャメチャ女性を描いたフリーバッグの監督が16歳の女の子が世間の荒波と家族の束縛から逃れようとする物語を描いた。非常に可愛らしい話で、フリーバッグのようにアナル拡張の話にならず、家族でも楽しめるものになっている。

脇に追いやられたシャーロック・ホームズ演じるヘンリー・カヴィルがイケメン過ぎて辛い。このシャーロックの性格が素敵すぎて原作とかけ離れてるからコナンドイル財団から告訴されたらしい。

ダウニーJr.版でも思ったが、名前だけ借りたパロディものと思うのが一番楽に観れる。マニアは許さないだろうが。

とにかくミリー・ボビー・ブラウンが魅力的で可愛くて、画面に向かって話しかけてくるという、あざとい可愛さを売ってくる。フリーバッグだとヒロインの悪事の共犯にさせられる感覚だったが、こちらは保護者気分となる。ズルい。

細かい所や動機付けが雑なのだが、楽しい空気とイケメン達のお陰でサクッと楽しめる。女性の社会進出が実はテーマで、現代の若者に社会問題を伝えようとする意思を感じる。これはミリー・ボビー・ブラウンがプロデューサーだからだろう。オッサンやマニアに向けて作っておらず、今を生きる同世代たちに向けて政治や投票の大切さ、多様性について訴えかけている。

シャーロックなどのオッサン達は消えろと言わんばかりなのだ。うっせえわ、かよ。

子ども向けでも、このコロナ禍の中で明るくハッピーな話を見ると癒される。

続編も決まったし、娘が大きくなったら一緒に観たいと思う。シャーロックは旧世代の遺物となり、女性による新しいニューヒーローの時代となるのか?
そんなメッセージを感じた。
YukiSano

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