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エノーラ・ホームズの事件簿のEDDIEのレビュー・感想・評価

3.9
疾走感溢れる冒頭シーンから1880年代の社会情勢を絡めて描く振り幅がいい。シャーロック・ホームズに妹がいたという奇抜な設定が魅力を引き立て、ミリー・ボビー・ブラウンの喜怒哀楽を楽しむ新感覚推理ドラマ。とにかくミリーが可愛い!

上から83・61・89。映画の中で言及されていたエノーラことミリー・ボビー・ブラウンの3サイズ。『ストレンジャーシングス』のイレブン役で一世を風靡したのも時間の経過を感じさせるほど、彼女は大人の女性になっていました。
表情にまだ少女のあどけなさが残りながらも、英国淑女のドレスに身を包んだミリーは燦然たる輝きを放っています。
『ストレンジャーシングス』で彼女を魅力に感じたならば、本作は必見の映画だと言えるでしょう。

本作はアメリカの作家ナンシー・スプリンガーの小説を原作に映像化したミステリー作品。誰もが知る名探偵シャーロック・ホームズに妹がいたという設定で、その妹エノーラ・ホームズを主人公に据えています。1880年代が舞台で、当時は女性に参政権が与えられてないなど、女性不遇の時代。そんな中でエノーラは母からの教えで男性に頼らずとも生きていけるように特訓をされて成長していきました。エノーラにとっての全てだと言える母が突然失踪。母の行方を探るべく、ロンドンで調査に乗り出すという大まかなあらすじです。

シャーロック役はヘンリー・カヴィル。ベネディクト・カンバーバッチのシャーロックが定着している私からするとイメージが違うんですが、彼ならではの英国紳士としてのセクシーな風貌で魅力を放っていました。
長男のマイクロフト役はサム・クラフリン。「あと1センチの恋」や「世界一キライなあなたに」などの恋愛映画でイケメンを演じていた彼。シャーロック以上に偏屈なマイクロフト役をどのように演じるかと注目していましたが、そもそもエノーラがメインの作品なのであまり大きな見せ場はなく残念でした。

とにかく本作の最大の見所はエノーラ演じるミリー・ボビー・ブラウンが全てです。彼女を好きな人は楽しめるだろうし、知らない人は彼女の魅力に気付けるだろうし、逆にあまり好きではない人にとっては鼻につく部分があるかもしれません。
『デッドプール』などでお馴染みの第四の壁を越えてエノーラがこちらに向かって話しかけてくるシーンが多分にインサートされており、ミリー好きの私としてはご褒美以外の何物でもありませんでしたが、そうでない方にとってはクドいと感じさせる部分だったかもしれませんね。
アクションもそこそこに見応えがあり、敵と対峙する時に母との特訓シーンと交互に映しながら見せる場面はとても良かったですね。母との特訓では上手くいっていたことが、本番では上手くいかないというリアルな演出に唸りました。その上手くいかなかったところをクライマックスにしっかりと拾うのが素晴らしかったと思います。

物語に大きく絡んでくるテュークスベリー子爵役のルイス・パートリッジも女性から人気の出そうな甘いマスクで、今後の活躍に期待したいところ。

劇場で観たらもっと興奮も高まっていた気がしますが、十分に面白いと感じました。Netflix加入者は是非ともご覧ください。

※2020年自宅鑑賞270本目
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