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夏への扉 ―キミのいる未来へ―のcinemageekのレビュー・感想・評価

4.6
徳島県出身の三木孝浩監督なので、観ないわけがない
丁寧な映画作りはさすが

タイムリープものは、ややこしいが、
バック・トゥ・ザ・フューチャーの時代のシンプルな考え方から大きく変わっている現代。量子論などが含まれた今のタイムスリップ、タイムリープネタは現実的な理論を盛り込みがちだが、この映画のタイムスリップは至ってシンプル設定

タイムループ説がベースになっているので、シンプルにそれに乗っかる味方をするほうがおすすめ

あと 実際の現代とは違うパラレルワールドなのを最初に設定として魅せてくれるので、そういう意味では素直に設定を受け入れると楽しめる映画。

だいたい、大学の研究者が物質転移装置を開発した記者会見をしているシーンがOPにあったり、TVCMで冷凍睡眠保険が流れたりしている時点で、現代とは全く違うというのを受け入れるだけで良いと思う。

ただ、1995年の璃子が大好きなのがミスチルのクロスロード とか懐かしさなどがリアリティさをフォローしている面白さもある



山﨑賢人の演技はさすがで、漫画、アニメの映画化で培ってきたものをうまく活かしている感じがする
安定の主役感はさすがである。

清原果耶ちゃんは ほんと 演技の質が高まってるね
撮影されたのは、昨年だと思うが、ほんと上手い
可愛い、キュート でもメイク次第で20代後半の色気を少し感じる女性という いい感じ


そして 主題歌の「サプライズ/LiSA」が、ベストタイミングで流れてくる。これほどナイスなタイミングは無いぞ!ってくらいベストタイミング。ここ1年の様々な映画の中でもベストタイミングだろう

さすが、映画好きな三木監督らしい演出である。

タイムスリップをイメージするシーンでは、様々なアイテムを使っているのだが、これがまたいい意味で古典的。
早回しによる残像。アナログ時計の逆回し、デジタル時計の表示が真空管。デジタル時計の逆回し、風景の早送りと逆回しという、ベタでありながらカット割りや表示位置などを計算し尽くしたかのうような演出で、タイムスリップ感を楽しませてくれる。


藤木直人 ヒューマノイドロボット役ということで、お見事でした。
ターミネーター2のロバート・パトリックが、劇中で
「ロボット役だからまばたきをしない」
というハードルを自ら課した話があるが、それと全く同じ!

瞬きしたのは未来に来たあとにタクシーに乗った直後の1~2回だけ(のはず)それいがいは ぜんぜんまばたきをしないことでロボットの無機質感もあってよかった

原田泰造は演技が上手いんだよね
バラエティのイメージあるけどけっこう映画も出てる
僕の妻と結婚してください でも いい味を出してくれてた

あと、攻殻機動隊のタチコマのことを知ってればピートの、ロボットでありながら命令無視をする部分、そして好奇心というキーワードを出すところはニヤリとするところだろう
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