Rion

ヘル・フィールド ナチスの戦城のRionのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

特に何の情報も無く戦争映画だと思って鑑賞した為、ナチスに虐殺されたユダヤ人の呪いがかかった城で米軍が恐怖を感じながら過ごすというホラー映画で、序盤から少し期待外れな印象。海外特有の亡霊の姿や、黒魔術?は、やはり日本のホラー映画より恐怖は感じない。

しかし終盤、呪いを解く為には亡霊の遺体を埋葬する必要があると、ユダヤ人の亡霊と戦う米軍兵達が急遽現代の治療室へタイムループ。手足がなく、顔半分が無い仲間がベットへ横たわっている姿はすぐに理解が追いつかず、少々強引な話の進め方だと感じた。

二次世界大戦下の呪われた話は全て夢の話であり、現実では米軍兵がアフガニスタンでイスラム国からアフガン人医者家族を救えず、生き残った母親が爆弾を投げつけ重傷を負い、回復の為に治療中に仲間意識が生まれる第二次世界大戦下の映像を見せていたと医師が説明するが、ここも理由付けが少し腑に落ちない印象。しかし夢の中での仲間のセリフや言動等が現実世界とリークされており、伏線回収されていく様子は面白い。

第二次世界大戦下の戦争映画は歴史を忘れない為に、繰り返さない為に、と思って観るが、本作はアフガニスタンが舞台だったので、現在も現地ではこんな卑劣な事が行われているかもしれないと考えると胸が痛む。消して歴史ではない、彼らのリアルなのかと。一家の呪いは、世界中に助けを求めるアフガン人の叫びなのではと考えさせられた。
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