Haru

トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そしてのHaruのレビュー・感想・評価

5.0
やっと最後まで鑑賞。
クィア、トランスコミュニティの実情を知るだけでなく、いかにエンタメやメディアが操作的に作られているか、それを学ぶのにも最適なドキュメンタリーなので是非教材としてもっと使われて欲しいなと思う作品。

Paris is burning 以降の作品しか知らなかったけれど、昔のメディアの印象操作は本当にあからさまで酷い。当事者ではない自分が見ても目を背けたくなるほどあからさま。でもやっぱり海外エンタメはドキュメンタリーでも描かれていたけど2010年代以降の変革がすごいなぁと思う。ネトフリが始まってからというもの、トランスの役者が演じるトランスキャラクターがいるドラマや映画、たくさん生まれてきているなという印象。その中でももちろん白人が多かったり、トランス男性はまたまだ少なかったり、差はあるのだけど昔に比べるとposeのような作品が生まれる時代になったんだという思いがやはり大きい。

それに比べて、日本のメディアはどうなのか。
いまだに悲劇的に描かれるトランスキャラクター、一貫してシス男性が演じるトランス女性、なかなか変化が見えない、と感じる部分がやはり多い。トランスの役者が出にくいエンタメの環境も問題だし、興行的にシス役者が出て売れる、というこの状況は演じる側もそうだけれど観客側のリテラシーにも問題があるのだろうと思うのだよな…だから一回はこのドキュメンタリーを見て、誰しも反省する必要がある。何故こんな状況で止まっているのか、変えるためにはどうすればいいのか、どんな批判的な目線を持てばいいのか。定期的に見て、定期的に反省が必要だなと私は思う。
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