菩薩

みんな夢でありましたの菩薩のレビュー・感想・評価

みんな夢でありました(2009年製作の映画)
5.0
クソホモソ偏差値2キモ童貞オナニー映画なので女性及び男性でも心に童貞を飼っていない場合は完全にスルー推奨なのだが、端的に言うと『花束みたいな自慰をした』であるし、リリィ・シュシュとカンパニー松尾の融合であった。少なくとも俺個人としてはここまで真摯にオナニーに向き合った作品に出会った事は無いし、後悔先に勃たずの、射精後のあの虚無感、絶望感、無力感を忠実に再現したドキュメンタリーに出会った事は無い。謎の二幕構成で第一幕が「ぼくたちの失敗」、第二幕が「I dance alone」(藤原ヒロシ?)、そしてタイトルも勿論森田童子のあの曲な訳だが、森田が敗北を喫した学生運動がそうであったと歌った様に、宮地は自身のオナニーが「大人」への反抗であり「大人」になる、成らざるを得ない自分自身の最後の抵抗に過ぎない現実を突き付けられ、もう既に行き場を無くした現実逃避の終着点として、遥か異国のコペンハーゲンで自身の愚かに膝を砕かれる事になる。ただこの金と時間と精液の無駄遣いでしか無い日々が今日の宮地の生業にも直結し、今日の「ボクらの時代」の中村倫也風に言えば「無駄にして来た時間を無駄にしない様に」生きて来たのかは知らんが、既にここで培われた惜しげもなさと恥ずかしげの無さが彼の作風に直結しているのだから、彼が一年で放った1500発もの精液と大会の7時間の中で放った28発の精液は確かにエリザベス宮地を生み出す為の尊い犠牲であったと言えるのではないか、知らんけど。彼女のみなみ(ダッチワイフ)を連れての遊園地デート、露と消えた幻のAV計画、まるで青春時代の走馬燈の様な遠足企画、あの一瞬の輝きは忘れ難い物があるし、宮地のこの気持ち悪さはもはや称賛に値する物である。「我々は明日のジョーである」と宣言しよど号は希望を乗せ偽りの理想郷へと飛び立った。成田を飛び立った旅客機は宮地と彼の希望と絶望を乗せ、彼の地で小さな論争を巻き起こし彼を真っ白な灰に変えた、ただ彼はその旅でチンコもろとも一皮向けた人間へと成長したしたのだろう、いや本当に知らんけど。

「自分が楽しむのが大事ですからね、オナニーは。誰かの為にオナニーやるってのは、無いじゃないですか。」

これが名言に聞こえてしまう自分が悲しい。
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