確かに失われしアメリカ的な風景の切り取り方がベニングっぽいし、『冬の旅』っぽいし『WANDA』っぽいしライカートっぽいし勿論アケルマンっぽいし…って事で何も書くことがない。老人は何を語るでも無く死んでいくし、DVを受けている隣人は何の疑いもなさそうに幸せな結婚式を挙げるし、出て行ってらしい旦那は帰って来ないし、延々カジノシーンが続くわりには人生をかけた大勝負を繰り広げられるわけでもなく、ただただドル札が小気味よく穴の中に沈んでいく（のを撮りたかったのかなとは思ったが）。燃える木、揺れるゾウ、腹痛いのに歌い出すおっさん、半裸のおっさんが佇むCGみたいな海辺、いや本当に書くことがない…。様々な方面にアンチを張り巡らせたらこうなるみたいな。正直天麩羅屋行ったのに天かす出されて塩ぱらっと振られて「どぞ」って言われた様な気分、勿論天麩羅屋などに行ったことはない。赤い爪よりSPF70くらいの白い顔何事、もう付き合ってられんわと言わんばかりのラストが印象的だった。
