信頼のアヌシー国際アニメーション映画祭の2020年のグランプリ作品です。
「ロングウェイノース 地球のてっぺん」のレミ・シャイエ監督の作品だけあってまたまた美しい色使いで全シーンがポスターに使えそうなキメキメのカッコ良さです。
女性ガンマンとして有名なカラミティ・ジェーンの少女時代を描いていますがこれが非常にうまいと思いました。
カラミティ・ジェーン本人はかなり話を盛る人だったようでその自伝は当時でもあまり信じられていなかったみたいです。
そしてこの話を盛る癖と言うのが妹達に明るい未来を語り続けていたからだというのはイイです。
移住の為の幌馬車隊が当時の、いや現代においても「女性らしさ」を強要する社会の縮図として描かれています。
生きるための適材適所と言いながらもステレオタイプに押し込もうとする主に男性側の圧力が描かれますが、男性達も「男性らしさ」に囚われて息苦しそうにしているところも描いているのはフェアな視点を感じました。
ジェーンのキャラデザインや決して品行方正でない性格設定がイイです。
活躍する女性が性格や見た目までも求められる事は往々にしてありますし。
ハウス名作劇場感もありました。