押井守の伝説的作品『天使のたまご』と低予算の世紀末SFが奇跡の(!?)マッシュアップ。『天使のたまご』の登場人物、″少女″は″天使″、″少年″は″ジョナサン″と改名され、″天使″がイニシエーションとして″たまご″を用い危機に瀕している生命体を救済する、という原作とは懸け離れたストーリーを再構築するも、「何故少年が卵を割るのか?」や「少女が海に落ちてオトナの姿の自分とキスをし、吐息が水面に浮かび卵となる」などサンプリング元の難解な点は難解なまま。それでも世界は救われたっぽいラストの取って付けたような、ハリボテのカタルシスはなんだか可愛らしい。どことなくjpop味のあるピアノのテーマもまた一興だ。 しかし、何故この様な珍事が起きてしまったのか⋯それは徳間側が負債を回収する為に『天使のたまご』を売りに出した為だそうだ。『天使のたまご』はあろうことか映像素材として切り貼りされ本作『In the Aftermath』は誕生した。日本では恐らく未来永劫、劇場公開も配信もフィジカルメディアリリースも無いだろう⋯。映画の歴史には何ら影響も及ぼさないレベルでの話だが存在そのものが奇跡のような作品であることは間違いない。ーんが、人に勧めるか?と問われれば答えに窮するところである。