強い

コリアタウン殺人事件の強いのレビュー・感想・評価

コリアタウン殺人事件(2020年製作の映画)
3.9
ジャケットに惹かれてマイリストにぶち込んだまま数年、例のBRUTUSで高評価を得ているのを発見して数ヶ月。
ずっとずっと見たかったが『ヤバすぎるが故にもう見れない』系カルトだったのかと悔しい思いをしていたが、消費者さんのレビューにありがたい情報があったので慌てて観た。

近所で起きた事件の独自調査にのめり込んでゆく男が主人公のファウンド・フッテージ。
モキュメンタリーは好きだが、かなり気味が悪い。急に配信されて急に終わったという前情報と、事件が実在したという事だけは予備知識としてある状態で見たのだが、かなりノンフィクションっぽいというか、虚構と現実のグニャり方が秀逸過ぎて本当にハラハラする。

このハラハラ感はフィクションに対するワクワクみたいなものではなく、もっとリアルな不穏さだった。
絶対に関わっちゃならんものを追っているような、昔2ちゃんねるでリアルタイムに見ていたスレッド(アンカーで遊んでたつもりが段々本当に引き返せないキモすぎる恐怖展開になってブチッと終わる系のスレ)のような、リアリティがあるだけに地味で圧倒的な恐怖を感じる作品。

出遅れた私は、いろんな考察も飛び交っているのを見たしフィクションだという結論が出ているのを知っているから、これを“作品”として捉えているけれど、リアルタイムだったら考察勢の検証を待ちながら冷や冷やしていたかもしれない。
だって、通行人のインタビューや主人公の狂気も現実かも?と思えるような気味悪さだったし、事件はあるし、何よりろくにエンドロールも何も無い映像構成!!!
こんなん怖いって!!!!!!!!!!
強い

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