強い

ユートピアの強いのレビュー・感想・評価

ユートピア(2015年製作の映画)
3.8
ずっと見たかったけれど勿体無くて見れなかったSCUD映画。ついに、満を持して、見てしまった!やはりScud作品は好き。

恋人もいてそれなりに幸せだった大学生のヒンスは、赴任してきたゲイの教授ミンと出逢う。その瞬間に途方も無い恋に落ち、世界は変わってゆく。同性愛を蔑視していた恋人のジョーイとのスレ違い、それでも愛した"人類"としてのパートナー。

Scud作品はいつでも魂の解放と死と愛を描くアート映画であるのにも関わらず、モザイク処理をされるとかなり気分が萎えるわね。映画としての良さが最悪になってしまう。卑猥と芸術の分別くらいつく国になって欲しい、悔しい。

アドニスくんとscudのコラボレーションはいつも常に美しさとエモーショナルの限界を超えてくる。夜の海を歩くアドニスとBGMの調和、無限の悦楽への歩み。自己理解、自己否定、陶酔。
神が作ったのだ、異性愛も同性愛も共有する愛も。それを禁忌としたのは神ではなく、教会である。愛は罪になる?なり得ない。なってたまるか。愛は罰になる?それも違う。愛は永遠でも物質でもない。有限の灯火である。

「愛」の本質を解きほぐすサプリメントのような映画だった。誰もが、誰をも愛せたらそれはユートピアなのにね。

吟味されざる生に、生きる価値なし。
強い

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