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もう終わりにしよう。のkonakaのレビュー・感想・評価

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
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これまで観たチャーリー・カウフマンの作品には、本人とは切り離されたところで作られる物語という印象があったけど、これはテーマ的にもカウフマン自身の思想をすごく感じた(原作がある&それを私が読んでおり大筋を知っているというのも関係するかもしれないけど)。

劇中でなされる『こわれゆく女』への言及は、たまたま直前に観ていたこともあり、かなり納得できる。ケイト・ザンブレノ『HEROINES』に「不安は女が体験すると、病気と結びつく。男が体験する場合、それは実存にまつわるものになる」的な一文があった気がするが、本作は社会的な意味での「男性」にとって“実存に結びつかない不安”の存在を直視した映画とも見れると思った。

フェミニズムの解釈およびミソジニーからの脱却をいかに軽やかにできるかということが、現代の課題の1つとしてあるんだろうなと改めて感じる。
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