彼の言動に、彼の家族の言葉に癖に仕草に少しずつ少しずつ整合性の取れない違和感があって「なんだなんでだ？？」って思いながら見てたらいつのまにか彼女自身もおかしくなってて小さかったはずの違和感は物語に深く食い込んできて…
ジャンルはホラーなのかと思うほどに静かな狂気が恐ろしかった。人間って理由がない現象が立て続けに起こるとこんなに神経をすり減らすんだということに気づいた。彼らのセリフがなにを暗示してるのかわからない、なんの意味のあるカットなのかわからない、本の題名は？詩の表現は？どこまでが伏線？どこからが現実？頭の中がぐるぐるしてとても疲れた。いいものをみたという満足感を得ることができたけど、残ったのはそれだけじゃないし、それだけで済ませていいものではないとも思う。
