鰹よろし

ディープ・ブルー3の鰹よろしのレビュー・感想・評価

ディープ・ブルー3(2020年製作の映画)
2.0
 海面上昇の影響で廃れてしまった総人口2人の漁村“小さな楽園”を拠点に、ホホジロザメの繁殖の観察をするエマ・コリンズ博士とその研究チーム。気候変動は地上のみならず海洋の生態系にも影響を及ぼしており、彼らは頂点捕食者であるサメがその変化に対しどう適応するのかを調査している。

 サメを閉じ込める檻を人間が閉じ込められる海の孤島へと変貌させることで、「人間>サメ」➡「サメ>人間」と人間様を突き落とし関係性の逆転が図られた前作の設定を引き継継ぎ、今作は当初より海の孤島であることが明示される。

 一見サメのホーム且つ人間の完全アウェイという覆り様の無い舞台ではあるのだが、気候変動という地球規模の現象を据えることで、陸地と海洋という境界線(ホーム&アウエー)を取っ払い、人間とサメとを強制的に同じ土俵(ホーム)へと引き上げる。

 同種間の協力と仲違い、サメの繁殖と人間の恋愛模様を添え、「人間VSサメ」という構図を絶対的な優劣をつける戦いではなく、単なる生存競争であり相対的なモノであると落とし込み、人間及びサメを地球における生態系の一部、いや同じ地球の一員であることに帰結するのかとも思ったが、そういうことでも別段無いのだろうか...

 「2」での序列の逆転を受けて、「3」で同じ土俵に上がらせる展開はシリーズの見通しと意気込みが感じられるのだが、そこにリブートの意義を見出せるかはまた別のお話で。

 昨今のリメイクやリブートブームに見られる、そのジャンルの先駆けや立役者が単なる後追いにしかなっていない、あやかりでしかない状況は悲しいモノがあり、このシリーズもまた例外ではなかった。


「シャークアタック」(1999)...「ファインディング・ニモ」(2003)...
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