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そこにいた男のmeltdownkoのレビュー・感想・評価

そこにいた男(2020年製作の映画)
4.0
「ありがとう」と言う女たちの神経戦が短いシークエンスながらもただごとではなく、そのとき彼女は「お前の勝ち逃げは許さないからな」とパフォーマティブに伝えようとしたのか、それともそれは「私ではなかったのだ」という悲しみからくる単なるファクトの伝達であったのか。何を考えているのかも読み取らせてくれない表情が秀逸で、映画全体を見渡してみても30分ちょっとの短編とは思えないクオリティ。ストーリーからは山田詠美の「熱いジャズの焼き菓子」(短編集「マグネット」収載)を思い出したり、あと最初のシークエンスからは歌舞伎町のホストの殺人未遂事件を思い出したりもした。
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