統合失調症をテーマにした映画。
ストーリとしてうまく行きすぎな部分もあるが、全体として統合失調症をテーマに伝えたいメッセージがうまく織り交ぜられていると思う。映像も美しく、セリフも良い。好きな作品。
人生では時折自分よがりになって人を信じられなくなって絶望しか感じられなくなる時がある。そんな状況にある人に少しだけ視野を広げて見ようかなと思わせられる力のある映画だと私は思う。
この映画にはたくさんの印象的なセリフがある。特に劇中に何度も出てくる「自分の闇や歪みを愛する人々に見せるべきだ」と言うセリフ。人は愛する人にこそ、自分の闇や歪みを見せて嫌われること恐れる。私は特にその節があるからこの言葉を大切にしていこうと思う。
他にもアダムは病気の治療中だが「(彼は)病気そのものではない」と言う言葉や「自分の欠点を認めることでその欠点に向き合う機会と強さが与えられる。」も印象に残った。
ストーリには関係ないがプロムの名前が、Starry Night でゴッホの『星月夜』がテーマになっているのも個人的に好きだ。ゴッホも統合失調症なりなんらかの精神疾患を患っていた言われている。だが、病気だったにしろ、病気でなかったにしろ、それは彼自身ではない。病気の有無が彼の描いた絵の素晴らしさを助長するわけでも減らす要素になるわけでもない。それがこの映画のセリフやストーリーに合っていること、アダムが症状で苦しむシーンに『星月夜』が映って絵画が効果的に作用していることに感動した。全体的に色合い、病気の表現の仕方が好きな作品。
