こせ

僕と頭の中の落書きたちのこせのネタバレレビュー・内容・結末

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アダムが会話の返しで、真面目な顔して、その場の空気にそぐわないことを言うことで、病状以外でのリアリティが出ていた。
アダムにとって副作用で味覚が無くなる事は、料理人として最も重要な感覚が無くなる為、薬を飲むのをやめことをそこで決断した。
アダムの幻覚の視界と現実の切り替えの臨場感が良かった。
作中で最も困った時にキリストを頼るのは、洒落が効いてるからだったりして。
バスの乗客と同じように幻覚の誰かに操られるようなシーンはしっかり伏線回収された。

そもそも当事者と三者では分かり合えない問題が題材になっており、綺麗事(マヤ)と現実、綺麗目の本音(母親とポール)が混ざっているやり取りがまたリアリティを帯びていた。

精神病院で料理人を目指していたアダムに出てくる病院食を目の当たりにし、夢が潰えたとアダムは涙するシーン。あそこは料理人になるというアダムの夢があってこそ成り立つシーンだと感じた。
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