麩

僕と頭の中の落書きたちの麩のレビュー・感想・評価

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
3.2
気狂い当事者としてものすごく共感したり、ファンタジーだなぁと思ったり、でもやっぱり、側から見たらあたおかで加害者で恐怖の対象である人間の内部の葛藤を描いてくれる作品としてすごく自分にとって特別な一作になった

基本的に統合失調症の症状の描き方はかなりファンタジーだなぁと思う
自分のパターンしか知らないけどさ
こんなに可愛くてイケてる仲間たちが現れてアドバイスをくれる病気ならどんなに良いかと
黒いモヤが襲いかかってくるとか、それがスイッチを切り替えるようにパッと現れたりパッと消えたりするとか、外から話しかけてくる声に導かれて…みたいなそういう描写は映画用のファンタジーだと感じた、なんか幻覚はいつもの世界と常に地続きで、テレビのチャンネル変えるみたいにパッパって切り替わる世界に生きてるのとは違うし、呪いの声みたいなのが外の世界にいて話しかけてくるってよりは文章?声?が自分の中に浮かんでくるって感じなんだよな

でも、みんなと同じ世界を見られないとか
頭の中がうるさくてしんどいとか
呪いみたいな言葉?感情?に支配されるとか、横になってその苦痛に耐えてたらいつのまにか夜になってるのとか
人が言ってること全部嘘か本当かわからなくなる感じとか
薬飲んでると副作用がすごすぎてこれなら飲まない方がいいっていう切実な気持ちとか
精神科に入院して気狂いの中にいて、自分終わったなーって淡々と感じるあの瞬間の静かな涙とかものすごくわかりすぎて、泣けてきた
狂ってるうちにいつのまにか5年経ってたもんなー

ママ、最初は関わり方最悪…って思ってたけどアダムと一緒に少しずつ病との関わり方を手にしてくれてよかったよ、、、
ポールはもっと早く打ち解けてくれというか、隠れて良い親やらないでさっさと色々言ってくれていいんだよ…
マヤ、可愛くて良い子で、バイトで一家を養いながらクラブ活動しながら家庭教師しながら成績主席って超人すぎん?将来総理大臣とかになってほしい
麩