タイトルから勝手に「私の頭の中の消しゴム」的なストーリーだと思ってたけどどちらかというと「5パーセントの奇跡」に似た心温まる作品だった。
統合失調症と聞くと電車でぶつぶつ独り言を言っていたり急に街中で大声を出したりする人のイメージがある。彼らの親族ならまだしも外野である我々は彼らとどう接すればいいのか。もし健常者と同様に扱おうとすれば本作の校長と同じようになるだろう。かといって心配や親切心からする余計なお節介も場合によっては彼らの人格的尊厳を傷つけることになる。このような悩みは健常者たる我々の"上から目線"のエゴであり、解決できないどころかそもそも悩むことすら思い止まるべき問題なのかもしれない。ただ、本作で彼らの世界(どこまで正確なのかはわからないが)を体験することができたように「知る」ことは重要だと感じた。