Ninico

アル中女の肖像のNinicoのレビュー・感想・評価

アル中女の肖像(1979年製作の映画)
4.0
アル中ブルジョワ女性が片道切符で呑んだくれの旅に出るロードムービー。

主演のアル中女性を演じるのは、まだあどけなさの残る爆美女タベア・ブルーメンシャイン。(80年代の西ドイツではファッション&アートのアイコン的存在だったらしい。本作の衣装も担当しており美的センスを発揮)

Fluxusのウルフ・ボステルも出演していたり、パンク歌手ニナ・ハーゲンもオペラ調の歌唱を披露。
監督のウルリケ・オッティンガーも出てくる。前衛的な映画の雰囲気はあるがひなぎくほどにはならない。物語の筋もわかりやすく、とにかく美しい主人公とその衣装、計算され尽くした構図を肴にお酒を愉しみ眺めれば素敵な時間になるだろう。(コニャックが飲める人はそれも良し)

『良識』『正確な統計』『社会問題』という名の3人組が同じような話を繰り返す姿は調和や体制への批判か。
タベア・ブルーメシャインが『調和を破壊しろ、悪夢だから』とヘタウマに歌うシーンは印象深い。

ユーロスペース
E-6 ちょうどいい距離
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