ノマドランドのジェイティーのネタバレレビュー・内容・結末

経済危機により家を手放した主人公ファーンは持てる荷物をバンに乗せ働き口を求めて各地を点々としていた。
行く先々でノマド＝流浪の民の1人として様々な交流していくお話

登場する人物の9割が実際にノマドとして暮らしている事をエンディングで知り衝撃を受けました。
全編にあった説得力も納得。

主演のフランシス・マクドーマンドの演技がとにかく素晴らしく、実際にいそうなチャーミングさを持った女性を演じていて最後まで引き込まれました。
その為、本作は劇的な出来事が起きるわけではなく、日々積み重ねていくファーンの姿を第三者として追っていくのですが、これほど退屈しない映像美、編集は中々ないかなと。

劇中ファーンとノマドの集いを指揮するボブとの会話の中でボブが息子を自殺で亡くした事を打ち明ける場面があり「何故息子のいない世界を生きていなければいけないのか」
という言葉に心を揺さぶられました。

身近に感じられる会話や人との交流が本作の魅力だと思われるので映画的文法を気にする事なく最後まで観れます。
お薦めです。