ノマドランドのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

　余りにもスケールの大きな映画でビビる。ロードムービーでありながら目的地はなく、リングの様に円環する。反復するシーンには存在／不在が、連なる荷物や車にはグローバリゼーションとその反映が、ファーンの視点のショットは時の流れが見事に宿る。セラピーをドキュメンタリータッチで捉えたその歩みは、イーストウッド作品を思わせる星条旗や国境、種族を超えた家族的集団によってアメリカを再訪する営みでもある。太陽を捉えた美しい景観と岩や石に記憶が刻まれるといったアニミズム的世界観、シャッターを開け、閉めてから別の旅に出る特定の時間を切り取った作品でもありジャンルを幾つも横断する。ワンカットが少し長くても120分位かけても全然良かった。