クロエ・ジャオ監督が、ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド：漂流する高齢労働者たち」を映画化。
車上生活者の生活をアメリカ西部の美しい大自然とともに描いたロードムービー。
原題: Nomadland (2021)
2011年の1月31日、ネヴァダ州のUSジプサム社が石膏採掘所を閉鎖し、企業城下町だったエンパイアは郵便番号もなくなる。
夫に先立たれ小学校の臨時教師をして働いていた60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)は、永年住み慣れた町(住まい)を失ない、キャンピングカーに最低限の家財道具を積み込んで、車上生活者＝現代のノマド(遊牧民)として季節労働(日雇い)の現場を渡り歩く。
その過程で、同じ境遇の人々と交流を深めていく…。
リーマンショックで多くの高齢者も住まいを失い車上生活に追い込まれたことが背景になっている。
現代の「ノマド」を過酷や苦悩といった観点だけではなく、むしろ自由や尊厳を選びとっている人々として描いている。
共演の「ノマド」にはデヴィッド・ストラザーンや実際に車上生活者として生活する人たちを起用しリアリティーを追及している。
ジョシュア・ジェームズ・リチャーズのカメラが撮らえたアメリカ西部の自然とルドヴィコ・エイナウディの音楽が美しい。
