貧困のような社会問題にフォーカスした作品なのかと思っていたけど、どちらかと言うとノマドの人々の独特の人生観が主題の作品っぽい。
主人公は、ノマドとは言ってもキラキラしたリモートワークのソフトウェアエンジニアなどではなく、むしろホームレスに限りなく近いブルーカラーではあるけれど、他人との薄く広い繋がりを常に保ち続けながら生活している。
ノマドの人々にとっての別れは永遠の別れではないというのは、それ以外の人の感覚ではすごく逆説的な気がする。。ここは宗教的観念も複合した、巨大な共同体意識からくるものなのだろうと思う。
堅固な社会保障制度を持つ国であれば必ずしもこの作品のように鬱々した状況にはならないだろうけど、とはいえ共同体意識が通じる社会なのであればこういうものの見方はノマドに共通したものだろうと思うし、過熱した資本主義のバグと言い切って捨てるのもどうかなと。
ノマドと"普通のホームレス"の違いは何かという点は一考の価値があると思う。
なんとも感傷的な物語ではあるけど、ストーリー展開もある意味ノマド的で正直散発的すぎる気がしたのは残念。。。
