Bosch

ノマドランドのBoschのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
5.0
ホームレスではなくてハウスレス。
R Vで移動しながら、先々で期間限定の仕事をして暮らし、その中で同じノマド同士、邂逅と別離を繰り返す。
切なくて孤独であると同時に友情や愛情という人の温もりも伝わってくる。

どこまでが俳優なのかどこまでがエキストラなのかすら分からずリアルなノマドの生活が映し出される。
(エンドクレジットを見る限り、ほとんどが本人のよう)
F・マクダーモンドの男女すら超えたような、諦念的な表情は印象に残る。

“ノマド”と言うのは(経済状況からの)追い込まれた状況では無くて選択した生き方であるが、1人で生きていく事、自由、その先にある終焉など改めて考えさせられる。
そして今の自分が持っているものに改めて感謝できると同時に、失ったモノも思い起こされる。

アメリカならではの雄大な景色が厳しく美しく、背景に流れるメランコリックなメロディも印象に残る。
派手な特撮もなく、豪華キャストでも無いが、どこまでも心に残る一作で、映画館に行かなかったことが悔やまれる。
Bosch

Bosch