理解し飲み込むことが難儀だが、確実に心に残る作品。
ファーゴ、スリー・ビルボードのフランシス・マクドーマンドの現実味のありすぎる演技と、現実にノマドをしている人物が出演し、半分ドキュメンタリーの手法で制作されている。
本作はアメリカ社会の貧困、社会的弱者の立場からの体制批判は控えめ。
逆に、社会的保証ゼロのノマドの人々が自由で理想的に見える。
とはいえ、過酷な労働の描写は多く、自分もノマドやりたい！…とはならなかった。
貧困とか企業に翻弄される市井の人々の目を通したアメリカ社会批判というよりも、淡々とした人間の営みをアメリカの美しい大自然と静かで素晴らしい音楽で描き出す作品。
分かりやすいカタルシスは無いが、物語後の主人公はどこへ行くのか、静かに気になる余韻を残す良い作品。
