ジジイ

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償のジジイのレビュー・感想・評価

4.0
胸糞の実話。国民を平等に扱わないことで資本主義バランスを保っていた1960年代当時(そして現在も)のアメリカ政府にとって、ブラックパンサー党は脅威そのものだった。それは黒人のみならず白人の貧困層まで取り込んだ共産主義的革命をフレッドハンプトン(弱冠21歳)が真剣に目指していたことにも起因する。彼が黒人にとっての救世主とすればFBIに雇われ組織に潜入した同じ黒人のビルはユダである、という物語。主演の二人は揃ってアカデミー助演男優賞にノミネートされたが、個人的にはビルを演じたラキーススタンフィールドの演技により心を奪われた。「革命家は殺せても革命は殺せない」というハンプトンの言葉どおり、今なおこの困難な戦いは続いている。
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