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アイダよ、何処へ?のNaoのレビュー・感想・評価

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)
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ボスニア紛争末期に実際に起こった話。
避難場所を求めて2万人の市民が国連軍基地に殺到する。
国連軍の通訳として働くアイダは、自分の家族をなんとか守ろうと、
時には国連職員という自分の立場を使って強引な行動で必死に奮闘する。

例えば冒頭は銃声や爆撃の音が聞こえる街で避難の支度をする家族が描かれるが
急いでいるのに冷静だったり、国連組基地に入れない人がその前で洗濯してたり、
紛争が始まって3年、それが日常だったのだと感じた。
そしてドキュメンタリーの中に入って観ている感覚。
ラストのアイダの表情は一体なにを思っていたんだろう。観ている私たちに訴えかける。

直接的な描写がないものの、そこには必ず「殺戮」が行われていて、傍観するしかなくて、しかもそれが現実に起こっていたことで、
悲しさと虚しさと怒りとか、なんかいろんな感情がぐちゃぐちゃした気持ちになった。
平和な日本に生まれた自分には胸がえぐられるような、
でももっと世の中を知らなくてはいけないと強く思った1本。
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