アイダよ、何処へ?の作品情報・感想・評価・動画配信

「アイダよ、何処へ?」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

1995年のスレブレニツァ虐殺を舞台に避難所となった基地に人数制限で入れない人々、そして半ば強制的に押し入り避難民の建前上は安全圏への移送という処刑を行うセルビア兵から家族を救おうとする通訳のアイダを描いていく映画
現在のウクライナ侵攻にも通じる国連の無力さを痛感させられる
セルビア兵のいつ発砲してくるかわからない独特な威圧感というのがこちらにもひしひしと伝わってきた
命を諦めせめてものと家族で向かい合わせになって処刑場の窓から無慈悲に射殺されるシーンは直接的には描いていないが炎628を彷彿させるものがあった
終盤アイダがかつての自分の家に行き遺体を発見し幸せだった頃の家族写真を見る所は嘆かわしい

このレビューはネタバレを含みます

国際社会に見捨てられた街「スレブレニツァ」の虐殺。

アイダは自分の立場を利用し、家族を守ろうと奔走する。
国連が安全地帯に指定した街が砲撃され、駐屯している国連軍は圧倒的に物資も人員も足りていない状況で本部に事態を丸投げされる。そんな状況でアイダが家族を守りたい一心で身勝手な振る舞いをしたとして、咎められるだろうか。ルールを守って行儀よく、死ぬかも知れない場所に向かえば良いのか。わからない。

ゲートで涙目になっている兵士は印象的ではあったが…
僕は神の目線からこの映画の状況を観ているだけなので、モンペって言葉がよぎったんだけど、、実際家族の生死が関わってたらこんくらい必死になるのは当然だよね。。

2022-136
umi

umiの感想・評価

5.0
アイダから留めなく出てくる、行動や表情、そのひとつひとつに対して、なにを思うことができるだろうか。飲み込めていないことがたくさんある。

そのためにはまず、知ることが大切だろう。紛争が3年半にわたり続いていること、劣悪な環境のホールの中ですし詰め状態にされていること、また彼女自身が通訳士という特異な立場であること背景・風景を歴史や記録の中から、多面的に、考察をすることはできる。だがそれだけでは足りないだろう。アイダや女性たちのうちから溢れるものがある。

人と人のつながり、自分の身体から生まれてきた子供への願い、いのちを強く守りたいと思うこと。それ以外にも今まだことばにできないものがある。きっとそれらはまだ私がわからず、感じることもできていないことなのだろう。今まだわからず引き裂かれたような気持ちにだけど、思い、わかるようになりたい。

こう描くしかなかったとも思えるほど、極端なまでに静と動が対比的に描かれているように感じた。だが、それでも描くことのできない、足りない何かがあるように見える。身もすくむような視点から、人間の存在論が問い返されているように思われるのだ。
Kohl

Kohlの感想・評価

2.3

このレビューはネタバレを含みます

ユーゴの紛争に関する映画は多くあるが、これはボスニア包囲の際のNATOの頭でっかちで人々がホンロー的な映画。

そんなことは歴史でも知られて、今これだけ情報が発達していてこのような状況映画やメディアはたくさんある中2021に再度この映画を作る意味が全く見出せなかった、リメンバーパールハーバー的な?

一般的なユーゴ紛争の背景の知識とボスニア包囲あたりを知っていたら想像できる展開だし、ボスニアの記録館にある記録映画ならいいと思うし保存することは必要であるが、モヤるところがあった。
aka黄屑

aka黄屑の感想・評価

3.0
『アイダよ、何処へ?』(20年)観了。メタスコア97の超高評価作でアカデミー賞国際長編映画賞ノミネイト、インディペンデント・スピリット賞ほか各国映画賞も受賞。95年に起きたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争での"スレブレニツァの虐殺"が題材。同国サラエヴォ出身のヤスミラ・ジュバニッチ監督が実績を重ねライフワーク的熱意でリアルに映画化(涙)
リアル杉て観進めるのが辛い典型的作品。
編集のヤロスワフ・カミンスキはポーランドを代表する編集者で『COLD WAR あの歌、2つの心』(18年)も担当。
セルビア人乍ら決意を以て被害側のボシュニャク人を演ぢたアイダ役のヤスナ・ジュリチッチとセルビア人勢力将軍役ボリス・イサコヴィッチは実生活で夫婦とのこと…(汗)
一人旅

一人旅の感想・評価

5.0
ヤスミラ・ジュバニッチ監督作。

『サラエボの花』(06)でベルリン映画祭を制したボスニアの女性監督:ヤスミラ・ジュバニッチの新作で、1995年に起きた戦後ヨーロッパ最悪の虐殺事件を題材とした戦争ドラマの力作であります。

本作は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争最中の1995年、同国東部スレブレニツァで敵対するセルビア人(スルプスカ共和国軍)らによって8,000人以上のボシュニャク人(イスラム教徒)が虐殺された「スレブレニツァの虐殺」の全貌を、国連保護軍の通訳として従事するボシュニャク人のヒロイン:アイダの視点で描き出した戦争ドラマで、保護を求めて国連施設に殺到した無数のボシュニャク人避難民を待ち受ける残酷な運命を、家族と同胞を守るため奔走するヒロインの姿を軸に再現していきます。

一貫してボスニア紛争を題材に映画を作り続けてきたヤスミラ・ジュバニッチ監督が、戦後の欧州で最大の犠牲者を出した世紀のジェノサイドの真相を、国連施設の物資・食料不足や国連の機能不全、逃げ場がなく孤立無援となった無数のボシュニャク人の悲惨な叫び―と国連、ボシュニャク人、セルビア人を巡る当時の状況を交え克明に描写した戦争ドラマの力作で、主演の旧ユーゴ出身:ヤスナ・ジュリチッチが迫真の熱演を披露しています(敵方の将軍を演じたボリス・イサコヴィッチは夫)。
実話。国連の通訳という立場から描かれるひたすら絶望的な惨劇。
ノーラン顔負けの移動撮影がすごい。フォークダンスが印象的。基本的に役者たちみんなうつむいて極力視線を交わさないようにしてるので不穏な空気感マックス。軍の非行に対するリアクションをいちいち撮るのはちょっと鼻につく。監督さんの過去作見ておきたい。
上映中に 鑑賞出来なかった作品。

今の世界情勢とリンクする部分が多く
押し潰されそうな時間でしたが
どうも アイダの理不尽な身勝手さに
苛立ちを感じてしまいました…。

懇願する知り合いの手を振りほどき
自分の家族だけ守ろうとする姿。
どこにでもズカズカ入り込み掻き回し
周りを困らせる連続に共感出来ず。

とは言え。
鬼気迫る演技には 息を飲みました。
家族との再会も 苦しかったです。


「リストに載っているわ。
      そのリストは古いのよ」
直接的なひどいシーンは、なかったが国連軍の基地が敵にじわじわ侵食されていく様子が地味に怖かった。
>|

あなたにおすすめの記事