マカオ国際映画祭にて。
これ面白かったな。ちょっと不思議でミステリー+ブラックコメディ+ファンタジーのミックスのような。それでいてすごく静か。
「君はひとりじゃない」のマウゴシュカ・シュモフスカ監督作。主演はアレック・ウトゴフ。
ウクライナからポーランドにやってきたマッサージ師のゼニアには不思議な力があるということが序盤でわかる。それもあって不法入国も簡単。
彼が行き着いた先は周辺からまるで隔離されたように明らかに雰囲気の違う新興住宅地のよう。そこでマッサージを通して孤独な町人の心を癒し隙間を埋めていく…。
誰も彼を不思議に思わないんだな。催眠術のようなものにかかっているからか、それともマッサージが気持ち良すぎるからか。
筋肉質でダンサーのような体つき、体型を強調するような服装でゆっくりマッサージする姿、見方によってはエロチックに見える。
子供たちが言うように彼はスーパーヒーローで町の人たちの心を救いハッピーになるならそれで良いかなと思ったりするけれど。
彼はチェルノブイリ出身、もちろん放射能の話も出てくる。
そしてマジックショーにもかり出される。
この謎の移民ゼニアいったい何者!?と想像力をかきたたされた結果ファンタジーのように思えてくるし、チェルノブイリの悲劇を経験した者の数奇な人生にも見えるし、もう一回よく考えてみると、移民に不満不平をぶつける人たちも自分の利益の前には無言で服従する姿のようにも見えてブラックコメディなんじゃね?と思えてくる。
終盤に「え!」という箇所があったが、終わり方はものすごくファンタジー映画っぽかった。
不思議な味わいの好きな映画。
コメント欄にメモあり👇