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親愛なる同志たちへのWNTのレビュー・感想・評価

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)
3.6
物価が上がり食べ物や生活必需品を買うことができない。そんななか労働者たちは給料を三分の一までカットされストライキを起こす。

ストライキは収まらず鎮圧する方法が分からない。
市政委員のリューダはそこでストライキを起こしている人々は更生の余地がないと意見する。
その意見に耳を傾けるようにストライキを起こしている労働者たちを銃殺してもいいと命令が出され政府は無理やり鎮圧する方向へ向かう。

情報漏洩を防ぐため市民たちの自由を奪い街を封鎖する。
反発する意見を持つものは全て殺し逮捕してしまう。
死者はほとんどいない、病院にも病人や怪我人がいない。それは何故か....

ストライキに参加していたと思われる娘スヴェッカを探し回る母リューダを見ていて胸が張り裂けそうになる。
あんなことを言わなかったら、それでも更生の余地はあるかもしれない、自分が責任を取るから、そんなことをいくら考えても娘は見つからない....

死体の雑な扱いや言うことを聞かなければ殺す、隠してしまえばいいという暴君のような考えが恐ろしい。

リズミカルで美しい音楽が流れるなか人々が逃げ惑い撃ち殺されていくシーンがとても印象的でセンスを感じた。

同志って結局なんなんやろうと考えてしまう。同志をなんでこんな風に扱うの?同志のすることではない。親愛なる同志たちはどこへ行ってしまったのか。
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