くさむすび

ニューオーダーのくさむすびのレビュー・感想・評価

ニューオーダー(2020年製作の映画)
3.8
起こる展開全てが胸糞悪い。個人的トラウマ映画トップ10には入る。病気の人を助けたいという思いで家を出て運良く助かったかと思ったマリオンがその後地獄を辿るように、ちょっと希望を見せてからの絶望が見てて心打ち砕かれる。しかしこの富裕層と貧困層が分断された社会で起こる寓話は決して非日常的なものじゃなくて、どこかで起こりうる話だから余計に恐ろしい。引きの画で見せるドキュメンタリーチックな撮り方が非常にリアル。
使用人から集ろうとした軍人の行く末をしっかり見せて、軍部が身代金を要求する本当の理由を明確にしていたり、絶望を与える銃声の使い方など単に胸糞映画としてだけではなく演出としてなるほどと思う部分も多い。銃声が果てしない絶望を感じさせる点で『アイダよ、何処へ?』を思い出した。
「死者だけが戦争の終わりを見た」
くさむすび

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