別に泣く映画でもないんだけど、なんか最後に涙してしまったし、笑いもした。


戦後７年が経過して、ドミトリク監督が何を思って扱った題材がわからないが、戦時下で感覚が鈍りながらも、戦地で戦った兵士たち。彼らを通じて人間とは、を遠回しに問われているようで、とても面白かった。

自問自答なのだ。
詳しく書けないが、どの立場の兵士たちも、この今を生きて、当然生きて帰りたいわけだ。
何が正しくて、何が悪いのかもよくわからない世界。

そして、人間は慣れてしまう生き物。
何でも結びつけねばいけないかもしれないが、今のコロナもそうなのかも。


ケーキを8等分する。
皆で食べたい。でも、残ってたら食べたい。


ラスト、映し出されているのは何気ないやり取り。でも、何故か喜びが伝わる。怒っている人もいたけど。じんわり胸にきた。観て良かった。



第二次世界大戦のイタリアに派遣されたアメリカ兵8人。1人が前線で足止め。逃げることもできない絶体絶命。他7名のとった行動とは。

WW2イタリアに展開しているいち部隊8人の密室会話劇。
動けなくなった仲間と、彼の帰還を待つ七人と、そこに重なる撤退命令。
見捨てろという司令官と、見捨てたくない隊員の葛藤を、リアルなやり取りで表現している。
ハイ・コンセプトだなぁと思っていると、舞台劇を膨らませたものとのことでそれならなおのこと納得。
会話が面白いし、キャラも立ってる。8等分したフルーツケーキの残りひとつを巡ってのやり取りも最高だった。
役に立たない下っ端の独断専行で救出に成功するのが、けっこうな力技だけど、助けられた本人はフルーツケーキに興味がなくて、それに手を出したのは……といううまい締め方。
1946年の舞台劇公演時の拍手まで聞こえてきそうだった。
実際に兵役についていた若いリー・マービンがかっこいい。
史実とはほとんど関係ないエンタメ戦争ものだけど、このレーベルに選ばれるだけあって、かなりのハイレベル。
ところでこの「戦地にケーキを送るくだり」をあちこちの映画でみるけど、本当に流行ってのかな？（ほかは「ビックパレード（1925）」「七日間の休暇（1930）」にケーキが出てくる。まだまだありそう）
面白かった！