イチロヲ

宇能鴻一郎の上と下のイチロヲのレビュー・感想・評価

宇能鴻一郎の上と下(1977年製作の映画)
3.5
出張が多い夫との結婚生活により欲求不満を募らせている若妻(片切夕子)が、自宅二階を利用した下宿屋を営み始める。若妻と下宿生たちのエッチなドタバタ劇を描いている、日活ロマンポルノ。宇能鴻一郎原作。

タイトルの「上と下」は、「女性上位でも良いじゃない!」を暗示する言葉遊び(だと思いたい)。片切夕子演じる性に貪欲な若妻が、多種多様な下宿生を相手取って、あっけらかんとしたエロエロ草紙を積み連ねていく。

宇能鴻一郎原作といえば、主人公の一人称語りが付きものだが、本作では女性ばかりではなく、男性側の心情吐露も多用。同原作者の他作品と比べてみても、一人称語りが過多であり、豊富なレトリックで笑わせてくれる。

下宿生のキャラでは、デタラメな言語(音声テープを逆回転させている?)を喋る、アフリカ人留学生が抱腹絶倒。応援団長役の丹古母鬼馬二も存在感抜群だが、「嗚呼!!花の応援団」のパロディは、同時代的に元ネタを鑑賞しないと伝わりづらい。
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