あんず

いとみちのあんずのレビュー・感想・評価

いとみち(2020年製作の映画)
4.3
劇場が小さくていつも土日はほぼ満席だったので、平日に観たいなと思っていて、ようやく観れた❗

かなり前の話だが、叔母が行けなくなった吉田兄弟のライブに行き、それまで何の興味もなかった津軽三味線に魅了され、しばらくハマっていた。近年はAUNJオーケストラという三味線を含む和楽器バンドを観に行ったりしていたので、この映画も自分は気に入ると思っていたけど、予想以上にハマった。オススメ✨

シンプルな話ではあるけれど、そこに人生の様々なエッセンスが凝縮され、軽い気持ちで観に行ったのに、結構、ズッシリ来た(心地好い重み)。

津軽弁、以前聞いた時にはフランス語みたいと思ったけど、今日は韓国語みたいと思った。それは、『愛の不時着』に遅ればせながらハマッている影響かもしれない。

女性キャストはほとんど初めましてという感じだったのだけど、それがまた良かった。女性監督ならではの目線と感じた、いとがメイドカフェで辛い体験をした後のメイド仲間の智美の台詞がリアルな感じで良かったし、その後の2人の会話もサラッと深いこと言ってたな。会話と言えば、同級生といとのそれはジーンと来たし、三味線ライブの開始前のお客さんの言葉には涙がこぼれた😢無言で髪を梳かすシーンも良かったなぁ😢

授業で青森の飢饉や空襲について学ぶシーンがあり、そういった歴史を思うと、より台詞や津軽三味線の音色が染みる。嬉しい時だけでなく、辛い時、悲しい時、津軽三味線が青森の人たちに寄り添っていたに違いない。そしてそれは、青森に限ったことではなく、私の住む地域だって日本中どこにでも苦難の歴史はあるのだと祖先や地域の人たちに想いを馳せた。

いとのおばあさんの三味線を弾く手の滑らかさに、うっとり。もっと聴きたかった。いとのライブも、あと何曲かフル尺でなくてもあったら良かったのに。三味線を弾いているいとは表情豊かだし、格好いい🎵

メイドカフェの店長、どこかで見たことある、聞いたことのある声だけど分からない、とずっとモヤモヤしていたら、花子とアンに出ていた人だったんだ💡

半年に一度くらい、地元の商業施設に青森の人が売りに来る美味しいアップルパイが大好きで、またそれが食べたくなった🍎
あんず

あんず