まっと

AWAKEのまっとのネタバレレビュー・内容・結末

AWAKE(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

※感想は全部フィクションであることを前提に映画の中の登場人物しか知らず書いてます

本当に「二人にしか分からない」はずだった次元を、二人の表情や台詞の切り取り方でこの世に映し出してくれたところに圧倒されました

浅川くんは、「勝ちに行く」ことが自分の将棋へのアンサーだし何よりあの日の清田くんを最大限敵として評価した結果の全力の行動だった
清田くんも多分それを感じたし、だからこそ自分が勝負に使ったAWAKEを与えられた勝負の場までに完璧にできなかったことが「負け」だと理解して投了した
でもそうだとしても清田くんは浅川くんとフェアな勝負をしたかったんだろうし、浅川くんだってあのプレッシャーが全く気持ちに影響していないわけがない

この世でたった二人、清田くんと浅川くんだけがあの場に流れた「勝負の世界にいる者の気持ち」を全く棋士ではない一観客に垣間見せる手腕 すごいよ〜〜……映画ってすごいよ〜〜………

努力が報われてほしいという言葉が作中にあったけど、こと勝負の世界で「報われる」イコール「勝利」という図式にしてしまうと、どうしたって全員は報われない
でも勝負をするから、勝ち負けを決めるために相手に全力で挑むからこそ生まれるピュアな敬意や共感ってあるんだと思う
この映画はそれを決して否定していなくて、でも、それでも、最後に「誰にもとやかく言われない楽しい勝負」をそっと見せることで、二人の原初の「強い相手とやるのは楽しい」の気持ちを大事に大事に描いてくれてるんですよね この瞬間のために生まれてきた(メルエム)思い出してボロボロ泣いてしまう

清田くんと浅川くんがほぼほぼ言葉を交わさないのも(最後は子供を通して話す離婚した夫婦みたいになってたな)、盤面で通じ合う様子を見て取れて良かった……

〜引っかかったところ〜
妹、いる!?!?!?🙄
今時「妹で〜す」みたいな登場のしかたも雑だし、プログラム書き換えたい騒動の後に話の聞き手を妹に担わせたのが、嫌だった!! そこで「AI開発のことも将棋のことも全く知らない相手」にじゃないと零せない気持ちとかが出てきたわけでもないし、妹が何か言葉をくれるわけでもない(それどころかこいつ「えっお二人知り合いなんですか?」だよ😣)

それなら、あのとき、「フェアな勝負にならないんだ」と叫んだ清田くんに対して、同じ開発者として単純に学友、先輩として彼のやりきれない気持ちを聞いてあげる&何か言葉をくれる役割は磯野に担ってほしかったよ……磯野が支えてくれたじゃん開発をさあ……

地味に浅川姉も引っ掛かる
弟のあの将棋界を背負ってのプレッシャーやら少年時代の惜敗の思い出やらをとこまで知っていたかは分かりませんが、それでもあんな外でピクニック気分で将棋、観る!?!? そんなお昼休みくらいの時間で将棋の一戦終わる!?!?🙄 ナメてるじゃんもう弟の一世一代の勝負をよ 家でテレビで観てあげてよせめて

なんか、なんかろくに必要な描き方をしないのにこの映画に「綺麗な若めの女優さん」て必要だったかなあ、と思っちゃう……特に妹は本当清田くんの独白を聞いてポカンとした顔させるだけなら出すな……
まっと

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