これはとても、とても良作。
将棋ネタで人工知能と来ると、
観ない人が多いかもしれないけれど、
将棋知識ゼロの私でも、とても面白いと思いました。
どんな終わり方をするのか、
ヒヤリとしましたが、こんなに品のある
人間性の良さを感じる終わり方をする作品はないと思います。
と勝手に思っていましたが、
あのラストはプロ棋士ならではの分析とデータの積み重ねによる、よくある終わり方とのこと。
勝手に、負けを認めたプロが人工知能の負けたデータを知り、それを知って勝ったのだと思ってましたが、違ってたのかな。
以下、それを知る前の感想。
（真の闘いを制したのはどちらかは明確であり、将棋士界を守るためにプロはああせざるおえなかった…という結末。あえて説明的ではなく、さらっとこれで終わらせたのが気持ちいい）
セリフが極めて少なく、
将棋の知識もないの中、
説明的ではなく、意味を伝えられたのは
役者皆さんの演技力と、的確な編集の力なのかな。
吉沢亮さん、主演納得の完璧な演技で、
朴訥で不器用だけれど、
愛らしくもひたむきな主人公を演じていました。ださくも見えるし、キラキラしても見える、この多面性は素晴らしい魅力ですね。
若葉竜也さんも、繊細だけれど孤高の棋士
がぴったりでした。言葉がこれまた少ない中での葛藤や憂いをとても上手に表現していました。やり過ぎない演技の最高峰、人間らしい人間を表現させたら、この人が今No.1でしょう。
そして落合モトキさん。この方が入ったことで3人のバランスが最高に良くなりましたね。冷たそうだけど、とても良いキャラで主人公を支えていました。
寛一郎さんもとても良かったなぁ。
あまり話題にならなかった作品でしたが（個人的に）、とても良かった。
もっとたくさんの人に観てほしい、
そして将棋がやりたくなりました。
