よしくん

犬部!のよしくんのネタバレレビュー・内容・結末

犬部!(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

なぜ獣医になったの? 
保健所の所長は獣医師じゃないとなれないだろ、だから。そして殺処分を止めようと思うんだ!

しかし現実は自分1人では変えられない。最後の日は散歩させて美味いものを食べさせ自分の腕の中で注射する。しかし、救っても救っても、センダーに犬や猫は毎日運ばれてくる。柴崎はそれほど強い男ではなかった。ついに殺処分用の薬剤を自分に注射しようとした。あいつらのところに行くんだと。

「俺たち動物の命を助けるために獣医になったんです」 しかし、獣医になる過程でも、大学では保健所から犬が払い下げられ外科実習では「一殺多生」の名の下に動物が当時は殺されていた(2005年に獣医師教育での保健所からの犬の払い下げられや、モデルになった大学での外科実習も2018年に廃止)

多くの人は長いものに巻かれて生きる。しかし、この作品の主人公は一匹も殺したくないという強い気持ちで命の矛盾に立ち向かう。逮捕されても問題にしない。無料で10匹以上の去勢手術をする。この犬、全て引き取りますと言ったりする。命の重さといつも比べているからだ。こういう人が世の中を少しずつ変えるのだろう。小林聡美の「犬に名前をつける日」に出てきた人も、これを現実のものとして生きている方だった。

こうした人々がいて、外科実習も、保健所の払い下げも今はおこなられなくなったのだろう。
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