Apollo

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「シラノ・ド・ベルジュラック」のApolloのレビュー・感想・評価

5.0
詩が重要な役割を果たす本作
それを意識し、役者達の台詞がほぼ全て韻を踏んだ大胆な演出
マカヴォイが迫真の演技で、天賦の詩の才により愛の喜びも悲しみも知る男を演じ上げる

カタルシス、エクスタシー、パッション
言葉が持つ力の全てが詰まった無二の舞台😭💖

*****
マカヴォイの圧倒的なパフォーマンスに息が止まる

早口かつリズム良く韻を踏み続ける台詞は、恐ろしく体力を使うのに全く疲れを見せない
誰にも負けない強さも隠した弱さも、彼の素晴らしい個性である眼差しが全て語る

こんな武骨で繊細な男、彼しか演じられない😭
力んだ時の首の静脈が最高にエロい

*****
シラノが正体を隠して、思い人に愛を語る場面が切な過ぎる

詩によって隠した思いも溢れるままに伝えられる
しかし、同時にその言葉で愛する人を騙し傷つける
喜びと苦しみが入り交じ、それでも愛を伝えずにいられないシラノがただただ切ない

一分の隙間もなく、彼を抱きしめてあげたくて堪らなかった
Apollo

Apollo