鰹よろし

キリング・マシーンの鰹よろしのレビュー・感想・評価

キリング・マシーン(2020年製作の映画)
3.0
 メキシコで警備コンサルタントを務めるリチャードは絶賛反抗期中の息子と2人平穏な暮らしを送っていた。学校で父子家庭をからかわれ問題を起こしても、彼は息子に寄り添い「暴力では何も解決しない」と優しくそれは優しく諭すのだった...

 そんなある日、自宅で仕事をしていたリチャードは麻酔銃により狙撃され意識を失ってしまう。携帯の着信で目を覚ますと、残虐非道の限りを尽くしたエージェントとしての過去と秘密を知る何者かに息子を誘拐したと告げられる...

 誘拐犯は息子を生きて返してほしくば、とある組織を壊滅させろと要求してくる。彼は誰よりも何よりも大切な息子を救出すべく、その指示に従い絶対的暴力での解決を試みるのだった...

 メキシコ人と白人との形成の逆転、誘拐犯と被害者の主従関係、愛する息子を人質に取られ暴力という宿命から逃れられぬ身であることの演出を踏まえ、ベストに装着されたカメラによるFPS視点、彼に寄り添うTPS視点とを織り交ぜ、リチャードを演じるスコット・アドキンスのキレキレのアクションを堪能させようとする気概をひしひしと感じる。

 「暴力では何も解決しない。力で抑え込めても根本的な解決には至らない。」とどの口が言うのかと呆気にとられるも、その気概故に緩和されるし(緩和されるとは言ってない)、また自身の過ちの告白と息子との和解を以て、それは愛情なのだと片づけてしまう(開き直ってしまう)のも潔い。特に何も考えずに観よう!!


「96時間」シリーズ...「バンディダス」(2006)...「バトルフロント」(2013)...
鰹よろし

鰹よろし