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ウィッカーマン final cutのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ウィッカーマン final cut(2013年製作の映画)
2.0
四月の末、孤島サマーアイルにハウイーという1人の警官が水上機に乗って本土から捜査にやってくる。ローワンという少女が島から消えたという投書を受理したためだ。しかし島民たちは異口同音に「ローワンなんて娘はいない」と答え、写真を見せても「島にこんな娘はいない」と首を振る。島民たちは酒場でエロい歌をがなり、公園で乱交しまくる下劣な人種。敬虔なクリスチャンであるハウイーは彼らを激しく軽蔑する。そして学校に行ってみると、五月の収穫祭の飾り付けをしながら合唱する男子生徒たちの姿が。ステキな声で歌唱している内容は、女と男がベッドで重なって射精するだのという猥褻なものだ。そして女学生たちは教室でペニスを崇めるようにと教え込まれている。子供から大人まで明らかに狂っている島民たちの生活習慣と信仰にハウイーは怒りすら覚えるが、生徒名簿からローワンが間違いなく実在することは判った。では彼女はどこにいるのか?なぜ皆、彼女を知らないととぼけるのか?さらに調査を続けたハウイーは、ついにローワンの墓を見つけるにいたり、死体を調べるべく墓を掘り返すのだが…

「ウィッカーマン final cut」

以下、ネタバレーマン final cut

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DVDコレクターの端くれとして、一応ソフトは所有しております。ユニバーサルの廉価版ね。

ウィッカーマンDVD日記
https://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=2940502&id=1090788784

この作品、いま日本で入手できるのは「劇場版・88分」と「完全版・99分」。この2つの他に、当初監督が仕上げた120分版も含めると、計6バージョンも存在するらしいですな。今回のfinal cutは、もっとも新しい6番目のバージョン。
11年前に購入して観た劇場版と比較すると、アバンタイトルのカトリックミサのシーンと、サマーアイル卿の手引きでブリット・エクランドの部屋に若い男がやってくるとこなどは、多分劇場版には無かった場面。劇場版も観てから久しいので記憶違いならすいません。でも明らかにフィルムの質が違っていましたよね。


さて内容。

「ミッドサマー」の父親的な作品で、奇祭の怖さが味わえるホラー。カルトと言われると難解なのでは?と敷居が高く感じる方にも安心して見られる映画です。破綻も無いし、一応ミステリだし。宗教学的な深掘りも出来るんでしょうが、常識(キリスト教)と非常識(異端)の逆転・ギャップが生むドラマは、例えば日本と外国、都会と田舎、という置き換えもできる普遍的なものですよね。クリストファー・リー渾身の狂気演技、すぐ後に007で共演するエクランドの肢体(尻は吹き替えらしいけど)も見どころ。バージョン違いを集める気にはならないけど、記憶に留めておきたい映画なのは間違いなし。見るべし!
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