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空に住むのmuscleのレビュー・感想・評価

空に住む(2020年製作の映画)
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ボディスナッチャー、東京上空、村上春樹。『カウチインニューヨーク』みたいな冒頭でのレイヤーがなくなったりする長回しがとてもスリリングで引き込まれる。3人の食卓でのカメラが一周して止まって、ミムラが寄り掛かるところ本当に素晴らしい。あとはパラサイトの言葉で、地面を見せてあげていた自分が囚われている/いないことを自覚するのとか、小津みたいな列車とエレベーター内の切り返しとか…。あと話題の中心の人物がカメラの中心にちょうど入れ替わり立ち替わりで変化していく(『東京公園』の義理の姉弟である榮倉奈々と三浦春馬が互いに打ち明け合う中盤を思い出させる)のだったり、、結構楽しめた。
ただ後半ネコ🐈 &妊娠話に集中していった途端完全に画面が止まった構造的会話劇へ。特にラスト。まったくわからない。キメキメの部屋に比べて会社周りの撮り方もよくわからない。多部未華子が結婚式帰りに親子を見つけるところや出産する岸井ゆきの演技もややどうかと思うし、岩田剛典の部屋が示されてもいいのでは?とか思ってたら「最後の質問」とかでウダウダ終わるのも謎だった。すいません…シネフィルでもなんでもないので何もわからない……。バカダサいセリフの応酬がわざとなのかどうでもいいのか(どうでもいいとしたらそれもどうかと思うけど)青山真治の文脈をもうちょっと知ります…。ただ流石に50年前過ぎない?みたいなセリフがいくつかあって池田千尋が脚本にいることを考えてもそれはどうかと。
成功してるのか失敗してるのかなんもわからん映画だったけど多部未華子の言葉を読んでるみたいな喋り方はドツボだった。ケツ向けながら横になるところ、脇見えるとことか「え?」と思った。だから逆にたまに幼女のように大人びているとは程遠い顔をさらけ出して横になったりするその様の撮り方が『秋津温泉』岡田茉莉子〜『エリエリ』宮崎あおいライン狙っている撮り方が出てきてもまたハッとする。佐藤錦さくらんぼキッスもアホかよと思いつつギュンとした。テキトーに女食い散らかしてる男に入り浸られて部屋がだんだん疎かになって惚けていくうちに、日常がキス待ちみたいになっていく女の子。
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