是枝監督が仕掛ける韓国映画、
ストーリーの主軸が人身売買ということで
その現代社会における、
「万引き家族」からのさらに濃厚で
重みがのしかかる世界観を想定していました。
是枝作品でしか漂わせられない空気、
印象的で忘れられない美しいシーン、
残る台詞はあれど、あくまで主観での
ファンタジック性が邪魔をして
あまり素直に受け取れなかった。
‥作り手の個人的な思い入れありき
だろうと捉えてしまう“強めのミューズ化‘も
気になった箇所ではあります。
(もちろん主観でしかありません)
意外なことに
主演人物それぞれの
今そうであるべき“理由”が
なかなか掴めなくて、
感情移入先が少なかったなと。
疑似家族が生まれ、ロードムービーに
繋がり‥でもそんな悠長な時間を
過ごしていること自体に矛盾すら
感じずには居られず‥。
その空白時間の活かし方も
思っていた是枝カラーとはかけ離れ、
揺さぶりをかけられなかった自分自身に
寂しさすら感じてしまったな。