舞台は韓国でもらしさ全開。
ことばの丁寧な積み重ねによって関係性やそれぞれの想いが変化し、大きなエモーションを生み出す是枝節が炸裂している。
押し付けがましくなく、多様な価値観の人物像を説得力を持って作り上げる脚本の丁寧さが光る。
重たいテーマを扱っているものの、この｢家族｣の愛に溢れたハートウォーミングさも非常に好き。これが良い意味でこの映画の軽さになってる。
設定は｢万引き家族｣っぽいけど、｢万引き家族｣と決定的に違うのが、血の繋がった母子が登場することと、幼子を売買する彼らを追う女性警官の視点を採用していること。
この点からもこの映画は、血の繋がらない｢家族｣のあり方を描きつつ、｢母性｣を探っていくことに主眼を置いた作品と感じた。
｢そして父になる｣の反省を踏まえて作ったという監督談を観賞後に見て大納得。
俳優陣の演技はもれなく良かったけど、後頭部で演技するペ・ドゥナが凄すぎた。
