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ベイビー・ブローカーのtokoのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.8
「万引き家族」のリアルさが苦しかった分、「ベイビーブローカー」は見終わった後の気持ちの軽さを感じるのは、結末の曖昧さと希望が残ってる形で終わっているからかもしれません。

ベイビーブローカーとして、犯罪を犯して来た2人と子供を捨てた母親。
劇中で甲斐甲斐しく赤ん坊の世話をしてるサンヒョンとドンスの姿が初めは自分達の仕事の為に見えたし、無口で投げやりな若い母親ソヨンの態度も酷かった。

でも、赤ん坊を中心にそれぞれの心の傷や人生が明かされて行く過程で、赤ん坊を家族の様に可愛がる様子が癒される。
高く赤ん坊を売ろうという酷い会話も、まるで普通の家族のやり取りに聞こえてくる。

児童護施設から抜け出した男の子をそのまま旅に同行させて家族の様に話す5人の会話にも棘が無いからなのかも…(これが日本語の台詞だったらまた違ってくるのかもしれないけど)

後半からは登場人物一人一人に感情移入して そんな風になれば良いなと願いながら見たので、現実には あり得ない話なのかもしれないけど、気持ちだけでも救われる結末になって良かった。

人間の弱さと「愛」が人を育てるのだと感じた映画でした。
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