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ベイビー・ブローカーのhuaのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.6
事情を抱え赤ちゃんを育てられない母親が、赤ちゃんポストの前に我が子を置く。
その赤ちゃんを連れ去り子供が欲しい夫婦に売りたいブローカー。
そのブローカーを追う警察。

それぞれの立場でそれぞれの思いが描かれるが、やってることは間違っているが、全員が赤ちゃんの幸せを願っているのが救われる。
赤ちゃんのウソン羽星、子役のヘジン海進というそれぞれの名前も親が愛情を込めて名付けたのだと思った。

赤ちゃんを抱っこするシーンが多かったソン・ガンホさん。お風呂に入れるシーンもなんだか微笑ましくさえあった。
何度か赤ちゃんのウソンの眉毛が薄いとマイナスとして捉えられるセリフがあったが、どう見ても普通だし、眉毛の濃い赤ちゃんの方が違和感があるのだが…
韓国ならではの価値観なのか?

あまりにも安い人の命の値段、6歳になると養子としての引き取り手が見つかりにくいという、まるでペットのような言葉にモヤモヤした。

赤ちゃんポストは韓国より日本の方が先に設置されたが、圧倒的に韓国の方が沢山の赤ちゃんが預けられているという現実。
深刻な少子化に陥っている日本でも、望まれずに生まれてくる命も多い。
家族のあり方、生まれてくる意味、幸せとは何か、是枝監督には社会問題にも切り込んだ作品を、これからも撮り続けて欲しい。
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