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ベイビー・ブローカーのlichtのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.5
刻んで見ていたから深く入り込めなかった。
作品に没頭するなら、ながら見や中断はしないほうが良いですね。

私もこれまで、コインロッカーに置き去りになるなど悲惨なニュースを見て、
「捨てるなら産むなよ、クズが。」
と心で思ってました。

しかし、娘の出産を経て1年間の育休を通して学んだ事は、

『赤ちゃんは一人で幸せに育てるのは過酷すぎる。』
『かけた苦労と愛情に比例して愛着は増えるのかもしれない。』

ということ。

美味いご飯じゃなく、素敵な景色でなく、一緒に笑い合った思い出こそが色濃く記憶に残る。

ということ。

「あそこに連れて行って」
「どこだ?」
「洗車」

親の愛は知らなくても、自分を信じて愛してくれる人の輪の中にいるだけで、幸せになれる。

「産む前に殺したら、産んだ後に殺すより罪は軽いの?」

中絶はその子の人生のチャンスを、本人の意思に関係なく奪っている行為とも言える。
一方で、「捨てられた」という十字架を背負って育つ人生を与えてしまうとも言える。

それでも、後者の人生を歩むことになっても、周りの大人たちとの関わり方で、幸せは得られるはず。

まずは、自分の周りにいる知らない子どもたちにも、一緒に楽しめる機会を作ってみたいと思わせてくれた作品でした。
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