人権問題の映画だが、これを直視するほどキツイことはない。鑑賞後、寝られなかったし、父親や家族、親戚、警察、コミュニティーの態度や行為を『これが文化だから』と認めることは私はできない。グローバルの社会になって、世界の負の文化が現れるのが容易になった。グローバル社会での共通項は人間を人間として扱うこと、基本的人権の尊重である。これをめざして、いかに伝統文化だとは言え、人間文化改革が必要になっている。

移民一世の父親（Adil Hussain）が車のなかで娘ニシャ（Maria Mozhdah）に一方的にいうシーン　『どんなに母親が苦労してるかしってるのか。あなたの行動が、我々にどんな影響を及ぼすかしっている？みなが我々を笑ってるんだよ。考えたことがある？親戚や友達は店にこなくなったんだよ。どんなことをお前たちにしてきたしってるのか？国をでて、ヨーロッパに行って、ドイツで監獄に入って、ノルウェーにいってだれもしたがらない仕事をして、工場で働いて、稼ぐために。すべてお前たちのためなんだよ。いい生活ができるようにと。そうすれば、良い教育がうけられるから。自分のことだけをかんがえているか？お前が、馬鹿な西洋人のようにいきれば、孤独で殺されるよ。』兄アシフ（Ali Arfan ）はこの会話を黙って聞いている。彼女はにげ出そうとした。そしたら父親に『もしもう一度同じことをすれば殺すよ』と言われる。殺すと言うことばを簡単に使うが、こういうのはありえるのかな？　そのご、有無を言わせず、イスラマバード行きの飛行機に乗せられる。

この父親の言葉に驚いたがここまでは私の許容範囲だったが、これ以降は恐ろしく直視するのがやっとだった。

パキスタン人の２世でノルウェー、オスロの社会で暮らしているニシャNisha　にとってほしいものはオスロの一般の仲間がもってる自由、パキスタン人の拘束された家庭の外の自由。その自由を勝ち取ろうとすると、パキスタンのコミュニティーの人々に悪い噂を立てられ、そのコミュニティーに居辛くなってしまう。いづらいどころか他の若い女性にしめしがつかないから、社会から外される。父親の小さな店にもパキスタン人の客が来なくなってしまう。家族がオスロのパキスタンの共同体で生きるためまるで娘を抹殺するようだ。

監督Iram Haqの短いインタビューを見たが監督はフィクションであるがこのような経験をしているサバイバーだ。『父親は悪魔のような父親ではない。２世である娘ニシャNishaと１世でノルウエーのパキスタンの文化の中で暮らしている父親のサイドからの２面性があると。監督の父親が入院している時、久しぶりにあったらしい。そして、父親は監督に謝罪したらしい。そして、癌でなくなったと。それから、この脚本を書き始めたと。
まだまだ、このような社会がつづいていると。

でも、これは２面性で両面をサポートできる問題だろうか、父親の見解はパキスタンの文化から察することはできるが、子供はひとりの人間なんだ。これは、虐待で犯罪だと私は思う。